Cliant:
kitorepe | キトレペ建築設計事務所 一級建築士事務所
Construction:
Narimura construction | 成村建設株式会社 [ Dairy]
Photograph:
HIROKI KAWATA | 河田弘樹
Works:
●壁紙/ 楮×白土(パネル仕立て)●紙のベンチ/楮黒ベンガラ染めライトグレーこんにゃく加工
有田の陶芸家、川口武亮さんの展示室、ご自宅に紙を使っていただきました。
展示室は壁に楮×白土(武亮さんがお使いになる白土)の紙をパネル仕立てにして張り込んでいます。
またご自宅はライトグレーの紙をこんにゃく加工してベンチの表面に張り込みました。
まず唐津くんちの説明です。
こちらをクリックしてご覧ください。
唐津くんち、曳山、曳山の説明
今回唐津くんち13番曳山「鯱(しゃち)」1876(明治9)年制作が31年ぶり4回目の保存修復工事を行われました。
本来、修復の紙はセオリーとして当時と同じ紙の原料、漉き方等考えて紙を漉きます。自分が勉強させて頂いた高知では色んな紙関係の修復用の紙が作られていました。以前高知で勉強させて頂いた縁で「九州国立博物館の修復の紙を漉きませんか?」と嬉しいお誘いいただきましたがその時は修復用の紙より一般の生活になじむ紙を作りたいという事で丁寧にお断りしました。独立して13年目。
色んな方にお声をかけて頂き13番曳山「鯱(しゃち)」の修復の紙を作らせて頂きました。なぜ今回修復用の紙を漉きたいと思ったかと言うと町は違いますが自分も小さい頃は曳山を曳いていて今は子供二人がお世話になっているからです。そして唐津くんちの修復の紙の面白いのはその当時当時作られていた紙を使って修復しているところにあります。昔は紙は貴重でした。大福帳の紙を貼ったり襖の裏打ちの紙など色々と再利用して貼ってありました。今回自分が大切にしたテーマは繊維に負担がかからない様に処理した原料を使い薄くて強い紙を作ること。2種類の厚さを変えて漉きました。また何十年後かに修復されたときに恥ずかしくない紙を。
普段は進んでしない作業も唐津くんちの修復の紙という事で子供達も喜んで楮の下処理「へぐり」を手伝ってくれました。
紙を貼る場所
中から見た尾の部分です。朱色ではない部分に和紙を貼ります。所々紙が浮いているので剥がしてある状態です。
輪島市の田谷漆器店の職人さんが長い間唐津に滞在されて丁寧に修復作業をされました。
今回、嬉しいことに傷んだ紙の部分が少なく修復に使用された箇所はごく一部ですが自分の紙が曳山の一部になるという幸せを感じながらとても楽しく仕事をさせて頂きました。いろんな方のお声掛けで今回仕事を頂きました。本当にありがとうございます!
今現在、漆塗りも完了してあとは組み立てるのみの状態だそうです。
新しい漆を塗装された鯱を早く見たいところですが残念ながらこのご時世2020唐津くんちは開催されません。
来年は開催できるよう心より願っております。
明けましておめでとうございます。
幸多き年になりますよう心からお祈り申しあげます。
紙漉思考室は昨年も多くの方に紙を使って頂きとても楽しく仕事をさせて頂きました。
大好きな仕事が出来る事の喜びを感じながら2020年も頑張りたいと思います.今年も色んな方との出会いを楽しみに皆様からの紙のご相談お待ちしております!本年もどうぞよろしくお願いします.
紙漉思考室 前田崇治
※バタバタな年末、何とか年を越せましたがやはりそのツケが回ってきました。
自分以外家族3人は年明けてインフルエンザのお年玉を頂きましたww
皆様もどうぞお気を付け下さい!
今年の年賀状のご紹介
1220mm×1220mmの道具で黒ベンガラ染め楮×稲藁の紙を製作
そして一枚一枚カットして年賀状にしました。
どっしりとした存在感のある紙にしたかったので厚くしたら案の定、何枚かは重量オーバーで+20円の切手を貼る事に。。
表にはあえて何も書いておりません。決して書き忘れではありません。
壁に貼って頂き質感を楽しんで頂けると幸いです。
目を入れると ぬりかべ
周りの人はほとんどの人が好きなカレーしかし自分は小さな頃は全くカレーに惹かれなかった。高校の時の友人もカレーが苦手だった。家のカレーを食べたら喉に骨が刺さったらしい。尾頭付きの鰯が入ったカレー。それはカレーと言うか鰯のカレー味の煮付けじゃないかと。残念ながら鰯のカレーは食べる機会は訪れなかったが・・・。
大学の時に先輩にカレーとハンバーグが嫌いだと話した。先輩の話に納得した。「カレーもハンバーグもどんな人が作っても食べれないほどまずいものはない。そこそこ美味しいくできる。はじめから美味しいレベルが高い。」なるほど。。
大人になってちゃんとしたcurryを食べる機会が増えた。途端に大好きになった。1年程前からそんなスパイ香る南インドcurry屋『TANE』さんの名刺等の紙を作る事になった。きっかけは山香デザイン室の小野さんが声を掛けてくれたから。電話の際に少し冗談で『スパイス紙出来ますよ!』と言ったら後日スパイスを持ってTANEのオーナーとお越しに。。その場で急遽サンプルを作る事に。クミン、カルダモン、フェンネル、コリアンダー・・・紙を漉くと部屋中にスパイスの香りが広がった。その後一週間は紙漉思考室は香りだけはcurry屋さんに。
お客様の要望で色々な物を混ぜ込み紙にしてきた。しかしただ入れるだけの紙に惹かれなくなった。入れることわりがないとなんだか気がのらない。今回の紙もまた勉強になった。カレーではなくcurryな紙。名刺のサンプルが届いた瞬間この紙には十分なことわりが詰まっていると確信した。
大分に行かれる方は是非『TANE』さんへ!
福岡にあるおくりもののお店「モクレン」のとよだようこさまにお声をかけて頂き楽しいお仕事をさせて頂きました!
「土から色が生まれる」
2019年7月5日(金)〜22日(月)
11:00〜18:00
会期中お休み:16(火)・17(水)
おくりもののお店
「 モ ク レ ン 」
〒814-0175
福岡県福岡市早良区田村6丁目12-38
℡090-7154-5431
色を付けるには色んなやり方がありますが兼ねてより使用させて頂いていた古色の美さんのベンガラで紙を漉きました。
ベンガラとは
ベンガラは土から取れる成分(酸化鉄)で、日本の暮らしに古くから根付いている素材です。紅殻、弁柄とも呼ばれ、語源は、インドのベンガル地方より伝来したことからそう呼ばれています。
ラスコー洞窟壁画やアルタミラの洞窟壁画にもみられるように、ベンガラは、旧石器時代から使われた最古の顔料であり古代色です。
地球上に一番多く存在する「赤色」は酸化鉄だともいわれていて、人類にとって身近な色であり、土から取れた古代色「ベンガラ」は、大地の色であり日本の暮らしを彩る色だと思います。
陶器や漆器、防虫防腐の機能性から寺院や神社の鳥居や家屋のベンガラ塗りとしても使用されています。今では、天然素材として見直され繊維製品への染色、オーガニック製品にも使用されるようになった素材です。
今回使用した古色の美さんのベンガラは赤だけではなく製造過程での燃焼温度や調合により独自の色を作られています。
詳しくはこちらを
この仕事、何が一番楽しかったかと言うと紙を漉く際に普段トロロアオイの粘りを使いますが今回はノリウツギの粘りを使いました。土や胡粉等を入れて漉く時にトロロアオイは粘度が強すぎて相性が良くありません。ムラムラになり紙が綺麗ではありません。ムラムラの紙が良い場合は良いのですが。。
紙を漉く際にトロロアオイだと水に粘り気がある感じですがノリウツギだと結構さらさらな感じです。しかも1日中ネリの効き目が続き漉いていて楽しい時間でした!高知の先輩、先生、ノリウツギありがとうございます!
さてそんなベンガラ染めの紙を使ってモクレンさんオリジナルの紙モノを製作されております。
紙のバッグがとても丁寧に作られており光りを通すとまた良い感じです。是非みなさま足をお運びください!
また楽しみなベンガラのワークショップもあります!
◯ワークショップ
・7/14(日) 13:30〜15:30
「ベンガラで染める」
基本のベンガラ染めと手ぬぐいの板締め絞りの体験
手ぬぐい1枚付きと持ち込みの染めたいもの1つ、200g(Tシャツ一枚程度の重さ)までのものが染められます。
要予約 ¥4800(手ぬぐい一枚、お茶とお茶菓子付き)
定員10名
・7/15(月祝) 11:00〜15:30
「アースカラープロジェクト」
地元で採取した土から染料を作り、染める体験です。
土を焼いて色を変えたり。土の染色を楽しみましょう。
要予約 ¥9500(お昼ご飯とおやつ付き)
定員10名
15日は残念ながら定員に達したそうです。
14日のお申し込み・お問い合わせは、モクレンさんまで(090-7154-5431)
注意事項:ワークショップ参加の方でお車でお越しの方は、近隣のコインパーキングをご利用くださいとの事です!
明けましておめでとうございます。
幸多き年になりますよう心からお祈り申しあげます。
紙漉思考室は昨年も多くの方に支えられとても楽しく仕事をせて頂きました。
自分が好きな仕事が出来る事の喜びを日々感じております。
今年も色んな方との出会いを楽しみに皆様からの紙のご相談お待ちしております!
本年もどうぞよろしくお願いします!
紙漉思考室 前田崇治
今年の年賀状には2種類の原料を使いました。
楮+陶器の白い土。
七山の蓬で染めた楮の原料。
漉く工程で2種類の原料をぶつけ合い空模様を作りました。
なので一枚一枚柄が違います。
印刷は今年も樹脂版を使い自分で活版印刷(印刷は素人なので文字が潰れているところがあります)
デザインはアオバトの前崎成一氏。いつも自分達の心に響くデザインをありがとうございます!
今回、唐津市にある草伝社の原様よりお声かけ頂き展示会を開催する事になりました。
実は地元の唐津で展示会をするのは初めてです。
紙漉きの道具や原料、そして紙などを展示させて頂きます。
今回は初めての開催なので皆様に素材としての紙を見て頂ければと思います。
期間中同時に『いとう写真館』の素敵な撮影会も行われます。詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.ito-photo.net/news.html
また期間中の5/26(土)15:00よりざっくばらんに
トークイベントを開催します。多くの方と紙についてお話出来ればと思います。
参加希望の場合には事前に草伝社さんまでご連絡下さい。当日受付もOKです。
【紙漉思考室の紙料室】
会場:草伝社
〒8471201佐賀県唐津市北波多徳須恵1030-3
会期:5/23(水)〜27(日)
時間:11:00〜17:00
【トークイベント】
会場:草伝社
日時:5/26(土)15:00〜16:30位まで
お話
紙漉思考室 前田崇治
お問い合わせは草伝社さんまで
tel0955643540
Cliant: 設計機構ワークス
Photograph:
ブリッツスタジオ 石井紀久氏
Works: ●天井/ 楮 数種類の紙を使用 ●天袋、地袋、/ 楮野草染め ●襖/楮 数種類の紙を使用
今回、和室の天井、天袋、地袋、襖等に紙を使って頂きました。数種類の紙を貼り合わせた天井と襖。少し色のトーンが違う楮を使い落ち着いた飽きのこない施工となっております。その他の写真はこちらをご覧ください。
photo 石井紀久氏
photo 石井紀久氏
紙を漉く際に使用する粘材、トロロアオイ。
毎年、一年中使用できるように保存液を入れて保管します。しかし11月に送られてくる生のトロロアオイを使ってここ何年か大好きな紙を漉いております。
きっかけは『ミエルかみ』。料理家・井口和泉さんのワークショップで使用する料理に使える紙を作ったのがきっかけでした。
原料は土佐の楮、丁寧に自分達でへぐり、煮熟し、ちり取りして、打解し、漉いて、乾燥。当たり前の工程の中に料理でも使って頂いても安心なように細かい配慮をして紙を作っております。自分達はこの料理でも使える安全な紙を毎年作っている味噌の紙蓋として使用しています。最近はありがたい事に色んな方のご紹介によりお問い合わせを頂いています。そんな紙を昨年11月に漉いていました。紹介が遅くなり申し訳ございません。。
もし興味がある方はご連絡下さい。お味噌の蓋以外に紙塩、塩釜焼き、紙のフィルター等料理全般ご使用いただけます。詳しくは過去の『ミエルかみ』をご覧ください。どうぞよろしくお願いします!