本格的なシーズンに備えて簀のお手入れ!
以前御紹介させて頂いた道具達も年々使用していると所々修理しないといけません。これは自分の手に負えないとなると職人さんにお願いしますが、多少の事は自分でします。特に簀の編み糸の切れはよくある事です。編み糸は絹糸を柿渋でコーティングした物が使われています。簀の上下は真ん中の部分より多少酷使しますのでほんの若干、真ん中より太い糸が使用されています。
(これは修復前、一番左が切れてほつれてます。)
縁あって自分の簀を作って頂いた方に簀の制作をお願いした時に上下に使う糸(上の写真の黄色い部分)が良い物がなく(その職人さんはすでに糸を生産するのを辞められていた為)使用しても劣化で切れやすいとお聞きしました。二人で何か良い糸がないか考え探しました。幸い共通の趣味が釣りで釣り糸はどうか??と盛り上がりました。。釣りをする方は御存じだと思いますがラインにも色んな種類があります。ナイロンライン、フロロライン、PEラインなど・・・。確かにその時代、他の方がナイロン系で編まれていた方はいらっしゃいましたがどうしてもナイロンラインは収縮があり伸びてしまい、手入れの時に熱いお湯をかけると縮れたりと難点がいくつもあり普及しませんでした。自分が提案したのはPEラインでこれは細い細い糸を編み編みにして細くてもとても強靭な糸なのです。紙漉くぐらいでは全く切れません。糸が劣化する前に竹ひごの調子が悪くなり編みかえの時期がきます。なのでこの糸で編めばほぼ糸の事に関してはメンテナンスフリーですww。ただ、だれもその時代にPEラインを使用した方がいなかったので上下、真ん中全部ではなく、実験で上下の部分だけ使う事になりました。残念ながらその職人さんは亡くなられましたが今こうやって編み糸の修理をしていると当時の事を思い出します。
切れるのははどうしても絹糸の方です。
細かい作業、簀編みさんは自分は無理です。PEライン、素晴らしい!
修理するとこんな感じです。真ん中の部分です、下手ですが・・・。
次回編みなおす時は全部PEラインで決定です。もし編み糸でお困りの方、もしくは修理する時の糸でお困りの方はPEラインで是非!因みに編み糸2号、修理糸1号くらいがお勧めです。多少高いですが8本編み、しなやかなキャスティング用が良いと思います。意味がわからない方はご連絡お待ちしております!
天国の有光さんやっぱり全部PEラインで編んでもらえば良かったです!(笑)
ta